少年を訪ねて今日もドアを開く少女。
無邪気な思い出を繰り返し、時をとどめていられるこの小児病棟は、月を隠した虚空の荒野。
月蝕太陽と月のように、互いの中に夢ばかり映して、今日も冒険旅行にはしゃぐ二人に、
いつか呪縛の様に赤い靴(初潮)がまといつき始める。
月蝕期の終わり。
少年の様に駆け回った時代に別れを告げよと、少女の足下を赤く染める血の水脈は、
よわよわと漂い、母なるガイアの怒りと悲しみを告げる・・・。
「当サナトリウムの面会時間は常に暗闇の中。
エーテルの海をたゆたうような、深い眠りの中のみ!」 |
大人への岐路に立つ少女は少年と共に、虚空にとどまるため、
赤い靴を脱ぎ捨て走るのだが・・・。
最期に・・・君の中の永遠のとなるための「世界の約束」を教えて・・・。
・・・ああ、うん・・・それで、良かったんだね・・・。 |
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